第60回例会 <銀座の中心で神戸牛を食す!>


神戸プレジール銀座 
  2017420(木)1830


メンタルマネジメントなどの世界では、新しい発想を得たり新境地を拓くためには、日常の中に「非日常」の体験をもっていることが必要であると言われています。

食の場を通して人生を楽しむという「プチ非日常の空間」を、今日は思いっきりお楽しみいただきましょう!

JA全農兵庫本部長・曽輪佳彦氏の乾杯の音頭により、この日の宴は開幕しました。

昨年10月にオープンしたばかりの <プレジール銀座> の「ウ(売)リ」は、世界に知られた
神戸ビーフと兵庫県産の新鮮な野菜たち、シックで贅沢な空間と、それを明るくフランクに
演出して下さるサービススタッフたちの活躍にあります。
が、それだけではありません。
ここにはプロ精神とその実力に裏打ちされた「プレジールソムリエトリオ」の存在もあります。
この宴の打ち合わせの折にワインをいただくことになったのですが、それは4種の「試飲形式」でサーブされた忘れられないシーンとなりました。
チーフソムリエ山崎氏は、スペインワインと甲州、最後のムルソーとの間にナント(!)「日本酒」をお加えになったのです。
特に「甲州」に続いたこともあってか(弁解デス!)私はその正体がワカリませんでした。アタマの中では「もしやこれが東欧のワインというヤツなのだろうか・・」などなど、目まぐるしいアレコレが錯綜しました。
日本酒の変遷のようなものと共に、今やそれがワインと同席に楽しめるものであること、国賓級の晩餐会におけるフランス料理による宴の場合にも乾杯は日本酒で行われるようになったことの違和感のなさなどを実体験させていただくことができました。
今例会では全24種の日本酒が皆様をお迎えいたしました。
「ソムリエサーブでいただくワイングラスの日本酒ってとっても素晴らしい!」
さっそく女性陣からお声が上がりました。

 
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外部の方達からよくお尋ねいただくことがあります。
「実は、この会に興味は大ありなのですが、きっと凄い方達ばかりのお席で私などは場違いなのだろうなと気持ちが萎縮してしまいます」

ご覧下さい、今日のこの会場を!

どこに委縮の必要などがあるでしょう。
開宴の乾杯前には、ウェルカム酒を手に既に各テーブルごとに自己紹介などが行われ、初めてご参加の方には「この倶楽部はね・・」「出品酒の注文はね・・」と必ず諸先輩方のサポートのお声がかかり、開宴してしまえばまさに老若男女、横のテーブルの方達までをも含めた大変活発なコミュニケーションが繰り広げられております。 
 
この日は宴半ばに御挨拶いただきましたプレジール支配人の御登場に引き続き、素晴らしい「サプライズステージ」が皆様を、まさに「非日常の空間」へと誘って下さいました。
「実は本日は“三遊亭歌之介”さんがご参加下さっております」のとたんに間髪入れずに沸き上がった大拍手と
「いよッ!」などのお声・・・

サッと気持ちよくお立ち下さった歌之介氏は、そのまま20分ほどにも及ぶステージを繰り広げて下さったのです。
自己紹介からその内容にいたるまでの何もかもが、「プロの世界」―――参加者達をその場で異次元にお運び下さるような、場内大爆笑に満ちたお時間でした。

歌之介師匠、本当にありがとうございました。

フランス語も中国語も韓国語も(???)素晴らしかったですが、立川談志師匠のあのポーズとお声に、私はイキナリ鳥肌がたちました。そこには確かに談志師匠が居りました。
三遊亭歌之介氏

ご自分の日常の範疇外の方達と席を同じくしながら、日常の範疇外の空間で、日常の範疇外のお話しを聞き合い、美味なる食と美味なる酒を楽しむ・・・身も心も真にほどき、楽しむことのできるこういう方達をこそ「凄い方たち」というのではないでしょうか。
むしろ「委縮」や「緊張」などは御法度の世界なのです。

至幸のお時間はまたたく間に過ぎ行きます。
本日のデザート、専任のパティシエールによる「フルーツ添えのクレームブリュレ」には、木下酒造の「タイムマシン」が添えられました。
これは、木下酒造の杜氏、イギリス人のフィリップ・ハーパーさんが江戸時代のレシピをもとに製造に挑んだという日本酒―――黄色味を帯びた甘口日本酒のここにも、ワインとの共通項が垣間見えました。

コーヒーも終わろうとする頃
「ただ今皆様にお配りしておりますのは、実は本日の出品酒表にはございません、千代むすび酒造からのまだ見ぬ幻の新商品、その名も<Awa酒 SORAH>です」。
炭酸を注入するのではなく、シャンペンにも似た自然製法にて造られた、まさに日本酒シャンペン―――シャンペングラスで皆様お元気に乾杯! をクライマックスに、この日の例会は閉会いたしました。 

既に21時半は過ぎ・・・・銀座の夜はふけていきます。

ご参加の皆様、歌之介師匠、参加蔵元の皆様、プレジール銀座の皆様、本当にどうありがとうございました。

文責:Hashiba

参加蔵元    
 
 玉川 
橋本課長
 酔鯨 
大倉社長
龍力 
本田会長 
千代むすび
岡空専務   
白鴻 
盛川社長


=第60回例会 出品酒一覧=

 東光 純米大吟醸 袋吊り 純米大吟醸  山形県  小嶋總本店
 東光 出羽の里 純米吟醸原酒 純米吟醸
 唯醸 (ただかもす)純米大大吟醸 純米大吟醸 滋賀県  竹内酒造
 玉川 純米大吟醸  純米大吟醸 京都府  木下酒造
 玉川 自然仕込 純米(山廃) 雄町 無濾過生原酒 純米
 玉川 タイムマシン1712  純米
 龍力 米のささやき 秋津 純米大吟醸 兵庫県  本田商店 
 龍力 米のささやき 日本の櫻 純米大吟醸
 千代むすび 強力50 純米吟醸  鳥取県 千代むすび酒造
 純米 じゅんから 純米
 純米吟醸 強力 おおにごり 生 純米吟醸  
 純米大吟醸 強力40 純米大吟醸
 瑞冠 純米大吟醸 山廃35 純米大吟醸 広島県  山岡酒造
 白鴻 沙羅双樹 大吟醸   広島県  盛川酒造
 白鴻 四段仕込み 純米 赤ラベル 純米 
 白鴻 艶肌梅酒 白ラベル 梅酒
 純米大吟醸 錦 純米大吟醸 山口県  村重酒造 
 大吟醸 錦 大吟醸  同
 日下無双 しぼりたて 純米大吟醸45 山田錦 生酒 純米大吟醸  同
 日下無双 発砲純米生60 純米  同
 酔鯨 純米大吟醸 兵庫山田錦50% 純米大吟醸 高知県  酔鯨酒造
 酔鯨 純米大吟醸 山田錦 純米大吟醸  同
 酔鯨 純米吟醸 吟寿 純米吟醸  同
 酔鯨 純米吟醸 高育54号 純米吟醸




59回例会 <赤坂  菊乃井の宴> レポート

20161112(土) 18:00

―――蔵元色も鮮やかに―――


しばらく続きましたスパークリング日本酒に代わり、今例会では本格樽仕込みフランス産シードルが食前酒として皆様をお迎え致しました。

菊乃井3代目当主、村田吉弘氏の御登場をいただき、いよいよ開宴です。
既にご存知のように、日本食の「旨み」の世界進出は、この方あってのものでした。

既にフランスでは「UMAMI」という言葉がそのまま料理用語として定着しつつあるといいます。   
その「旨み」の数々、その多様性を、本日は皆様とご一緒にあらためて再認識し、
存分にご堪能いただきたいと思います。

そのお伴を致しますのは、当倶楽部会員蔵元が自信を持ってお勧めする8社19種類の日本酒!
至極のマリアージュの世界の予感に、華やいだ空気が会場を支配しています。
「乾杯!」の音頭と共に既に賑やかな皆様のお席でした。 
 

           




 
東光 小嶋会長 ・ 瑞冠 山岡社長 ・ 白鴻 盛川社長
さて、宴もたけなわ―――蔵元達からの直声が皆様を大いに盛り上げました。
「日本酒ブーム」といわれる昨今、100種の日本酒が並ぶような試飲会も珍しくはありませんが、それが一体どんな蔵元によって造られた日本酒なのかを知れる機会はなかなかありません。
日本の老舗蔵の中には江戸時代に創業というところも多く、今日まで先代たちの息吹を守り抜いているということは、どの蔵にも歴史や物語・・・それぞれのstoryがある筈なのです。
蔵元自体を知ることにより「こういう蔵元は一体どんなお酒を造っているのだろう」と、そこから入る日本酒との出会いがあってもよいのではないでしょうか。
本日はそこに焦点を当て、それぞれの蔵元ご自身により『ウチはこういう蔵なんです』のお声をいただきました。
どの蔵元にも共通して、本質的にものを作っていらっしゃる方というのは、大変に濃いキャラをお持ちであり、実に面白い方達ばかりなのです。


このコーナーは何故か女性陣に大人気だったようで、その後の出品酒の進み具合の「高速化」がみられました。
 酔鯨 大倉社長 ・ 玉川 木下社長 ・  龍力 本田会長
     

蔵元たちと「席を同じうして」の例会は、当倶楽部が誇る一点でもあります。
しかも、どの蔵も会長・社長自らがご参加下さいます。
目の前に並んでいる日本酒を実際に造られたその蔵元たちと共に楽しむことのできる機会というのは、願って叶うものではないでしょう。
これがワインの世界であったなら、間違いなく「世界的イヴェント」となってしまう筈です。
蔵元に直にご質問なさりながら、イエ、その他諸々の会話にも興じながらのお時間は、またたく間に過ぎていきました。

世界の美食倶楽部にはイギリスの大変に格式の高いものと、スペインはフランス国境近くのサンセバスティアンという町のもの、そしてフランス・ブルゴーニュの伝統の騎士団なども挙げられるのではないかと思いますが、これらが何のために存在しているのかといいますと、それはもうその国の美食文化を伝承していこうという、この一点につきます。

一流の作り手たちがどんなに集まったところで、それをしかと受け止める受け手の存在がなければ、どんな文化も決して伝承されてはいきません。
文化の伝承とは、作り手と受け手との相乗効果によって成っていくもの・・・本日ご参加下さいました素晴らしい受け手の皆様の存在が今例会もまた成功へと導いて下さいました。  

ご参加の皆様、そして「菊乃井」の皆様にも心から感謝申し上げます。     

     (文責:事務局 Hashiba)

=第59回例会 出品酒一覧=

 東光 純米大吟醸 袋吊り 純米大吟醸   山形県  (株)小嶋總本店
 東光 出羽の里 純米吟醸原酒 純米吟醸  同
 山田錦純米大吟醸 浦霞 純米大吟醸 宮城県  (株)佐浦
 香の泉 特撰大吟醸 大吟醸 滋賀県  竹内酒造(株)
 玉川 自然仕込 純米大吟醸 玉龍(山廃) 純米大吟醸  京都府  木下酒造(有)
 玉川 純米吟醸 雄町 純米吟醸  同
 玉川 純米吟醸 祝 純米吟醸  同
 玉川 自然仕込 純米酒(山廃)無濾過生原酒   純米  同
 龍力 米のささやき 秋津 純米大吟醸  兵庫県  (株)本田商店 
 龍力 米のささやき 上三草 純米大吟醸   同
 龍力 米のささやき 吉川米田 純米大吟醸     同
 龍力 米のささやき 日本の櫻 純米大吟醸   同
 龍力 米のささやき YK40/50 大吟醸   同
 瑞冠 純米大吟醸 山廃 純米大吟醸   広島県  山岡酒造(株) 
 純米大吟醸 かすみ 生酒 にごり 純米大吟醸   同
 酔鯨 純米大吟醸 山田錦 純米大吟醸 高知県  酔鯨酒造(株)
 酔鯨 純米吟醸 高育54号 純米吟醸   同
 酔鯨 純米酒 八反錦60% 純米   同
 白鴻 沙羅双樹 大吟醸 広島県  盛川酒造(株)
 白鴻 ひやおろし 純米吟醸     同

<第58回レポート><第57回レポート> <第56回レポート> <第55回レポート> <第54回レポート> <過去の例会>

 

<第58回例会  桂米團治氏講演とフレンチチャイニーズの夕べ

2016・4・16(土)
帝国ホテル大阪 22階 パイシーズ

  

今例会は、先月の26・27日両日、韓国で催かれた「ソウル・地酒フェスティバル」のphotoリポート(事務局 山内真智子による)から始まりました。



続きましては、いよいよ桂米團治氏の御登場です。
米團治襲名にまつわるお話しと英語・韓国語・フランス語を駆使した小噺の数々に、会場は大いに沸きます。

そのお声、リズミカルなテンポと手振り身振り――それはまさに「5代目桂米團治の世界ここにあり」といった30分間の時空トリップでした。

この会場の盛り上がりを引き継いで下さいましたのは、藤田シェフによる今例会のためのオリジナルメニューの数々と会員蔵元による出品酒の数々です。

山田錦の最大供給元であるJAみのり代表理事組合長、上羅氏の乾杯の音頭により、宴は開幕しました。

           
当日のお料理(一部)



世界の美食倶楽部にはその代表的なものとして、フランス・イギリス・スペイン・シンガポールのものがあります。
そのどれもが会員制で、例えばイギリスの倶楽部などでは毎回リムジンでの送迎付きという、いかにもイギリス的、大変格式高い倶楽部のようですが、倶楽部の目的自体は各国共通です。「こうした活動を通じて、自国の美食文化を継承していく」ということ。
そしてもう一点、隠れた目的とでも言うのでしょうか、会員皆様が期待されております倶楽部参加のお楽しみがあります。
それは「美味しいお食事と美味しいお酒を大いに楽しみながら、普段御自分の生活圏では決して知り合うことはないようないろいろな方達と接することができる」ということです。
なるほど、「ご自分の生活の中に非日常的な空間を持っている人は、人生やお仕事における発想、アイデア、そして、ピンチを乗り越える力においても、格段にその力を発揮できる」という、脳科学分野の研究結果もあります。
 
特に、そのお酒を造った蔵元自身と席を同じくしながら実際にそのお酒をいただける―――ーというのは、この倶楽部ならではの醍醐味でしょう。
というわけで、いつもながら、どのテーブルも「宴たけなわ」状態になるのが早い!


  やがて、ワイワイガヤガヤの楽しい喧噪の中に、イキナリ
「桂米輝(よねき)でございます~」のお声が・・・・・。
そのお声が場内に聞こえたとたん、会場は一瞬のうちに期待に満ち溢れた静寂に包まれました。スゴイです。これがプロのお力というものなのでしょう。
講演後の宴席にもご参加下さっておりました桂米團治氏のお弟子さんのお二人、
「桂團治郎」さんと「桂米輝」さんによる飛び入り舞台が幕を開けました。
とうとう最後には米團治氏も登場し、今例会の〆は、指一本同士から指五本へ、つまり、ピアニッシモから次第にクレッシェンドとなり最後はフォルテで終了、という米朝御一門に伝わる「米朝〆」での閉会となりました。 
「こういう会に参加させていただくのは弟子たちにとっては初めての事です」とお喜び下さいました米團治氏でしたが、日本酒や美食と同様「噺家の世界」という私たちが護っていくべき日本の文化の一端を、充分に認識させて下さいました米朝御一門の皆様でした。


さて、今回の出品酒の中では、なんといっても『ドラゴンゴールド秋津 氷温長期熟成20年貯蔵酒』(龍力・本田商店)が注目を集めました。
マイナス3度にて20年間貯蔵されたという幻の酒、市場価格20万円也です。
これを会場の皆様全員でいただきました。その後、燗でも「実験」されたテーブルがあったようです。
 

 私は出品酒テーブルの近くに陣取り、ここに出没する方達を観察させていただくのが毎回の楽しみです。
どんなに会場が盛り上がっていようともご自分が酔われてしまう前に必ずここに立ち、他社蔵元の作品に真剣に向き合われる蔵元達のお姿ー――そこにはテーブルで皆様にお酒をふるまわれる際のニコニコ顔も軽口もすっかり影を潜め、緊迫した空気が流れます。
蔵元同士が私には理解不能の日本語でやりとりなさるそのお姿にもゾクゾクするものを覚えます。
今回は、今や全国区の名杜氏となられました木下酒造のフィリップ・ハーパー氏も参加され、(『英国一家、日本を食べる』」(2013・亜紀書房)で著者のイギリス人フードライター、マイケル・ブース氏に日本酒指南をしたのはこのハーパーさんです)今回は同テーブルの方達に「日本酒は温度」を「講義」なさったようでした。


名杜氏達と藤田シェフ
 酔鯨酒造・木下酒造・本田商店
          

 

今回はこのテーブルの前に長く米團治氏のお姿があったことも、私を感動に導きました。
「そうか、今日は本当に勉強になりました。日本酒は温度なのですね。(おそらくはハーパー氏の「講義」によるもの)20年も寝かした酒は当然冷酒でいくものかと思っていたけど、さっき燗でいただいたら確かにそっちの方が美味しくってびっくりしました。これまで経験したことのない味でした。もう二度と会えない味ですよね。是非もう一度<48度の燗で>いただきたいのですがダメですか」・・・・・。
そこにはもう、ステージで満面の笑みをたたえた米團治氏のお顔はありませんでした。
このこだわり! ハイハイ、もう全部、最後までいっちゃって下さいませ。

夢のようなこの日の「非日常」の時空間は、こうして幕を閉じました。

桂米團治御一行様、御参加下さいました皆様、そして、本例会に向けての準備段階からお力を注いで下さり、当日は素晴らしいサービスパフォーマンスで会をお運び下さいました帝国ホテル大阪の皆様に、心からお礼申し上げます。


(文責:事務局 Hashiba)

=第58回例会 出品酒一覧=

 東光 純米大吟醸 袋吊り 純米大吟醸   山形県  (株)小嶋總本店
 玉川 純米吟醸 雄町 純米吟醸 京都府  木下酒造(株)
 玉川 純米吟醸 祝 純米吟醸   同
 玉川 純米吟醸 コウノトリラベル 純米吟醸   同
 ドラゴンゴールド秋津 氷温長期熟成20年貯蔵酒 純米大吟醸  兵庫県  (株)本田商店
 米のささやき 日本の櫻 純米大吟醸  同
 米のささやき YK35 大吟醸   同
 米のささやき YK40~50 大吟醸  同
 酔鯨 純米大吟醸 山田錦 純米大吟醸  高知県  酔鯨酒造(株) 
 酔鯨 純米吟醸 備前雄町 純米吟醸    同
 酔鯨 純米吟醸 高育54 純米吟醸    同
 沙羅双樹 大吟醸 広島県  盛川酒造(株) 
 四段仕込 赤ラベル 純米    同
 瑞冠 純米大吟醸 山廃斗びん 純米大吟醸   広島県  山岡酒造(株) 
 金冠黒松 純米大吟醸 錦 純米大吟醸  山口県  村重酒造(株) 
 金冠黒松 純米 純米    同
 日下無双 しぼりたて 純米大吟醸生45 山田錦 純米大吟醸   同
 日下無双 しぼりたて 純米生60 西都の雫 純米   同
 国菊 純米大吟醸 純米大吟醸 福岡県  (株)篠崎酒造
 比良松 大吟醸 大吟醸     同
 比良松 特別純米 特別純米     同
 しゅわっと空 純米吟醸 鳥取県  千代むすび酒造(株) 

<第58回レポート><第57回レポート> <第56回レポート> <第55回レポート> <第54回レポート> <過去の例会> 

<第57回例会  京都「高台寺 土井」の宴 レポート>

       ―――日本の古都を楽しむ一夜―――

                     20151121日(土)


   



米旅行誌の世界人気都市ランキングで、2年連続第1位に輝く京都のこの時期は、街中が人・人・人・・・であふれかえります。

夜には高台寺や清水寺のライトアップも楽しめ・・・ということで、この時期の京都のホテル確保の難題にも負けず、町中にあふれかえります人波にも負けず、当日会場にお集まりいただきました皆様、心からありがとうございました。

受付を済ませた皆様は、本日のウェルカム酒<しゅわっと空>(千代むすび酒造)のシャンペングラスを手にそれぞれのお席へ。                           

  本田会長
今例会では先ず、この度の当倶楽部会長(龍力・本田商店会長 本田武義)の黄綬褒章受賞を祝し、倶楽部を
代表して、みのり農業協同組合代表理事組合長・上羅堯己様の祝辞、そして御当人の受賞挨拶が続きました。


良い日本酒を造るという道は、確かに全くキリのない、長くて深い道程ですが、本田会長の場合には、それがとうとう「実際に酒米を育てる土壌の研究」にまで至ってしまい、御年83歳の現在、京都大学大学院の研究室にて、自ら土壌研究に勤しんでおります。
今例会には、日頃会長の研究にお力をお貸し下さっておりますお二人の大学院生、須々田さんと柴田さんもご参加下さいました。
   
 
乾杯酒は、「沙羅双樹・純米大吟醸」(盛川酒造)です。
お釈迦様が入滅なさった時にその四方にあったという二本ずつの沙羅の木を称したという大変スピリチュアルなネーミングをもつ盛川酒造の自信作。
郡司保之様の乾杯の音頭で、宴は幕を開けました。
 

さて、「土井」の京料理と共に、本日皆様を一挙に京の宴へと誘って下さいましたのは、置屋「桝梅」からお越し下さいました地唄三味線を担う地方(じかた)さん他芸子・舞妓さん総勢5名の皆様でした。 途中には舞台のご披露もいただいての充実の3時間。

「土井」の社長、土井明様もまた古くからの当倶楽部の会員です。

土井社長にもご挨拶をいただきました。

     

徳川時代の茶室は、俗世の身分と切り離された自由な空間として守られていたもの―――同席する全員が同様の流れと作法に従う事で、身分の差なく一つの場を作り上げ、それを楽しんだ―――と、読んだことがあります。会場にはそれを想わされるような和気あいあいの充実のお時間が流れました。
「桝梅」皆様の舞台を楽しみ、居並ぶ蔵元自信作の日本酒の数々を楽しみ、「土井」の京料理を楽しみながら、どのテーブルにもくつろぎと華やいだお時間が流れています。

       
本日の熱燗酒は「龍力・特別純米 生もと仕込み」。
日本経済新聞社による「お燗にしたい日本酒ベスト10」の第1位に選出された今話題の熱燗です。それを芸子、舞妓さんの皆様と酌み交わすお味は、ひとしおだったことでしょう。 
 
食後酒は、今回はデザート酒として登場した「木下酒造のTime Machine1712」でした。江戸時代のレシピを元に名杜氏
ハーパー氏が現代に再登場させた、まさに「日本のリキュール」です。

この例会ではデザートプレートに登場したメロンに振りかけ、いただいてみました。
「斬新!」「日本酒をこんな風に?」の皆様からのお声と共に、「ウレシイですね。皆さん美味しい美味しいと言って下さって・・」木下社長の満面の笑顔が残りました。
 

楽しいお時間はアっという間に流れ去ってしまいます。
盛川副会長のお元気な一本締めでこの日の宴は閉会。
「高台寺のライトアップにはまだ間に合いますか?」とお急ぎになられる方達のお姿も。総勢50名で充分に満喫させていただきました京の秋の一夜でした。

(文責:事務局 Hashiba)

=第57回例会 出品酒一覧=

東光 純米大吟醸袋吊り 

純米大吟醸 山形県  (株)小嶋總本店
香の泉 特撰大吟醸 大吟醸 滋賀県  竹内酒造(株)
玉川自然仕込 純米酒(山廃) 無濾過原酒  純米 京都府  木下酒造(株)
玉川 特別純米酒 特別純米
玉川自然仕込 純米大吟醸 玉龍(山廃) 純米大吟醸
玉川タイムマシン1712 純米
龍力 米のささやき 秋津 純米大吟醸 兵庫県  (株)本田商店
龍力 米のささやき 吉川米田 純米大吟醸  同 
龍力 米のささやき YK35 大吟醸  同 
龍力 米のささやき 日本の櫻 純米大吟醸  同 
龍力 生酛仕込み 特別純米 同 
しゅわっと空 純米吟醸 鳥取県  千代むすび酒造(株) 
純米吟醸初しぼり 純米吟醸
強力50 純米吟醸
純米大吟醸 山田錦 純米大吟醸  高知県  酔鯨酒造(株) 
純米大吟醸 旭友 純米大吟醸 同 
吟寿 うすにごり 純米吟醸 同 
純米吟醸 備前雄町 純米吟醸 同 
高育(こういく)54号 純米吟醸 同 
沙羅双樹 大吟醸 大吟醸 広島県  盛川酒造(株) 
沙羅双樹 純米大吟醸 純米大吟醸 同 
特別純米・緑 特別純米 同 
四段仕込純米・赤 純米 同 
山田錦 純米大吟醸 浦霞 純米大吟醸 宮城県  (株)佐浦 
瑞冠 山廃 純米大吟醸  広島県  山岡酒造(株) 
金冠黒松純米大吟醸 錦 純米大吟醸 山口県  村重酒造(株) 

<第58回レポート><第57回レポート> <第56回レポート> <第55回レポート> <第54回レポート> <過去の例会> 


日本美米美酒美食倶楽部 第56回例会



 <赤坂菊乃井の夕べ>  2015月5月29日(金)

         ―――大人たちの楽しい宴 または「大人たちがくずれた一夜」―――



                         


「今までで一番良い例会だった」「忘れられない一夜になりました」「こんなに賑やかな菊乃井は初めてでした」「日本一の美食倶楽部の名もこれで返上ですネ(笑)」・・・・
参加者皆様からいただきましたこれらのお声が、この例会の模様を物語って下さっています。

受付を終えられた皆様はシャンペングラスの「しゅわっと空」(千代むすび酒造)を手にそれぞれのお席へ。
純米酒普及推進委員会委員長・高瀬斉氏曰く「ワルクないよね。実はこういう酒(発泡日本酒)の試み自体は100年近く前からあったの。だけどつぶされてきた。イヤイヤ、反感どころか僕は歓迎しますよ」。
事務局長山内による開宴の挨拶は「今日は正客席も末客席も設けてはおりません。知らない方達と高級料亭にて食を共にするという機会も通常ではあり得ないものでしょう。ですが、本日ここにお集まりの皆様は日本の食を愛し、日本の酒を楽しむという共通の文化をお持ちの方々・・・・」
こうして幕は開きました。


「伝統はチャレンジングな革命から生まれる」というこれぞ菊乃井精神を体現する美しいお料理の数々とそれに添い遂げ、盛り上げる会員蔵元たちの日本酒の数々。

まさに「和食文化の神髄ここにあり」の時と空間が繰り広げられました。







 
   

静かな歓喜とため息・・・「“旨み”というのはコレを言うのですね」「季節を皿に映すという意味をあらためて教えられます」・・・

多士済々なこの夕べ。貴重なこの機会に是非皆様同士もお知り合いになっていただきたい。ここで簡単に皆様をご紹介させていただきました。
例えば、日本酒販売関係と致しましては、「日本橋三越本店」リカー部セールスマネージャー星野様と和酒担当ショップリーダーの鯛取様。「三ツ矢酒店」(西荻窪)の鴨志田様と「リカー・ポート蔵家」(町田市)の浅沼様がご参加下さいました。後者2店は、もはや単なる酒店のイメージを越え、自ら日本酒勉強会やセミナー、様々なイヴェントなども開催され、日本酒文化の発信基地としての御活動でも知られています。

今回この周辺から聞こえてきましたお声は、
「先ずは勿論、良い酒であることが第一条件です。けれど、良い酒なだけでは売れる要因としては足りない時代になっているのも事実。それだけ良い酒が増えたという事でもあるのですが、これからは<蔵元の顔(キャラ)が見える販売の仕方>が課題なのでは」。
後には具体策例の数々が続き、もはや「楽しいマーケティング講座」の様相でした。

新潟銘醸が発売した<エルチアキ>は、蔵元の顔(キャラ)が見える販売の仕方の一例になるのかもしれません。
越淡麗(酒米の王者山田錦と五百万石から誕生)100%から成る純米大吟醸<越の寒中梅 El Chiaki>は、スペインで活躍されている今や世界的な画家、堀越千秋さんの作品とのボトルデザインコラボによって発売されています。                      
http://www.niigata-meijo.com/elchiaki.htm
    
 
なんと、この例会には、この堀越画伯も御参加下さいました。スペイン大使館にて開催中の個展が明日で終了とのこと。  

この辺りから会場は親睦会のような雰囲気に。既に「静かな歓喜とため息」は消え失せ、あちこちで楽しいお声が響き渡っています。利き酒師の資格をお取りになられたという美しいマダムからは「自分がファンである蔵元とこうして直にお話しさせていただけるなんて本当に感激です」のお声が。
日本酒ファンの新しい形態の登場です。利き酒師の資格をお取りになる方が増えているそうですが、資格取得のためにたくさんの日本酒と接する中で、各人が「お気に入りの日本酒」との出会いを体験されるのですね。

蔵元とのお話しから聞かれたお話しと致しましては、例えば今話題の木下酒造の<Time Machine1712>。
これは、とある先生が手にされた300年前(江戸時代)のレシピを基に同社の杜氏、イギリス人のハーパー氏がよみがえらせたものであるとのこと。
決して貴腐ワインから造られるヨーロッパのデザートワインを意識しての誕生ではなかったのであり、これが決して「フュージョン酒」などではなかったことを知りました。
こうしたお話を蔵元から直にお教えいただけることの楽しさと幸福。それを実際に蔵元と共に味わい、目の前に運ばれるのは菊乃井のお料理の数々・・・。「至福の時」とは、まさにこれをいうのでしょう。

時を忘れかけたところで、さて皆さま、ここは「菊乃井」なのでした。
イキナリ御登場下さいましたのは、
菊乃井三代目主人・村田吉弘氏ご本人。
「皆さん、今日はどうも・・・」の笑顔。

   

和食のユネスコ無形文化遺産登録は、この方あってのものでした。御承知の通り、我が国の食文化界においては、既に伝説の人物です。
ユネスコの無形文化遺産登録を何故必要と想われたかのお話しや「だから日本酒もガンバッテ欲しいんです」のお言葉。(蔵元さん達のモチベーションは、ますます上がったことでしょう)
当倶楽部本田会長とのあれこれのやり取りにも、会場は沸きました。

この後は、最初にご紹介致しました皆様からのお言葉通りの展開と相成りました。
普段は立派なお姿でそれぞれの世界でお力を注いでおられる男女共々の大人たちが、一級のお料理とお酒を前に、もはや素のご自分でしか在り得ず、その「時」を共有することになった方々とのお時間――――
蔵元社長たちや当倶楽部本田会長の酔ったお姿も私は初めて目にし、何故だか涙が出そうになりました。(情けなくてではありません(笑)。大の大人たちの誰もが心を開き、心底楽しんでいらっしゃるお姿は、とても感動的だったのです)

19時開宴の例会が散会したのは22時30分になってのことでした。
日本美米美酒美食倶楽部の後は「銀座の倶楽部活動」(??)に参加、という会員様までが居りました。「お誘いしますよ」という大変紳士的で溶溶たるこのお声に、お応えできる気力も体力も既に皆様にはないようでした。

ご参加の皆様、楽しい一夜を本当にどうもありがとうございました。
                                            (文責:事務局 Hashiba)


=第56回例会 出品酒一覧= 
東光 純米大吟醸袋吊り  純米大吟醸 山形県 (株)小嶋總本店
大吟醸  浦霞  大吟醸 宮城県 (株)佐浦
純米大吟醸 久宝居(くぼい) 純米大吟醸 福島県 開当男山酒造
開当男山 純米吟醸 純米吟醸  
越の寒中梅 金ラベル 純米吟醸 新潟県 新潟銘醸(株) 
越の寒中梅 大吟醸
越の寒中梅 El Chiaki 純米大吟醸 同 
 明尽 (みょうじん) 純米大吟醸 滋賀県  竹内酒造㈱
玉川自然仕込み 純米酒(山廃) 無濾過生原酒  純米 京都府 木下酒造(株)
Ice Breaker 純米吟醸 無濾過生原酒 純米吟醸
玉川自然仕込 Time Machine 1712 純米
龍力 米のささやき 秋津 純米大吟醸 兵庫県 龍力(株)本田商店
龍力 米のささやき 吉川米田 純米大吟醸
龍力 米のささやき 日本の櫻 純米大吟醸 
千代むすび 微発泡純米吟醸 しゅわっと空  純米吟醸 鳥取県 千代むすび酒造(株)
白鴻 大吟醸 沙羅双樹 大吟醸  広島県 盛川酒造(株
白鴻 純米吟醸 無濾過生原酒 広島雄町 純米  同
白鴻 四段仕込み 純米 赤ラベル 純米   同
瑞冠 純米大吟醸 山廃40斗びん採り 純米大吟醸  広島県 山岡酒造(株)
いい風 純米大吟醸 しずく 純米大吟醸  同

<第58回レポート><第57回レポート> <第56回レポート> <第55回レポート> <第54回レポート> <過去の例会>

                                           

日本美米美酒美食倶楽部  第55回例会

伝統モダンなフレンチと日本酒 ―珠玉のマリアージュを探る―
                            
             2015年3月24日(火) 16:00~  帝国ホテル東京 光の間

前駐米大使・藤崎一郎氏による講演から、例会はスタートしました。

  講演前には藤崎氏による10問の3択クイズが。 ex.「日本の首相を最初にホワイトハウスに迎えた大統領は?①ブッシュ父②オバマ③ブッシュ息子」などなど・・・。場内大いに盛り上がり、皆さん真剣にペンを握ります。

講演は、3つのキーワード「心理」「力」「時間」を基に、様々な史実を並べての氏ならではの視点と発想が展開。その切り口の斬新さに目も耳も心も奪われ・・・その世界にすっかり引き込まれてしまったところで、しのたまわく。「では、最初のクイズの最高得点者を発表しましょう!」


壇上に登ったのは三木隆さん。藤崎氏からオバマ大統領就任記念メダルを贈られ、お二人での記念写真と相成りました。

多くの要職の他、現在は上智大学にて特任教授もお務めの藤崎先生。その講義では、きっと今日のようなお話も伺えるのでしょう。
モノの見方が数多であることを知れる若者達は、既に人生の貴重な糧を手にし得たと言えるのでは。



続いては、宴会序章としての当倶楽部例会の名場面「唎酒会」の開始です。

今回は蔵元15社、全35種の様々な酒種
(大吟醸・大吟醸古酒・吟醸・純米大吟醸・純米吟醸・特別純米・山廃純米・特別純米生もと・
特別本醸造)
が皆様をお迎えいたしました。
(宴会ではこれらの酒種とフレンチメニューとの
マリアージュ実験が行われるわけです)

                          
    そして、ズラリ並んだこれら日本酒の前で皆様をお迎え致しますのは、ナント、これら蔵元の蔵主たちご自身なのです。(これを幸福と言わずして何を・・・)
 進んだのは手にしたグラスだけではありません。どのお酒の前でも蔵主達と出席者皆様との活発な会話が繰り広げられておりました。
   
   
さて、いよいよ酒宴の開始です。

帝国ホテル東京が日本酒とのマリアージュを想定の上でご提供下さいました今回のメニューはこれです → (拡大可

オーソドクス、かつ、王道とも称せるようなこれらのメニューと日本酒とを、どう合わせていけばよいのか・・・

 
     
その前に先ずは、これぞ「日本酒で乾杯!」。

吟醸酒での乾杯の後は、帝国ホテル東京のソムリエ・渡邊一男氏の登場です。

「ワインの場合にはこのような理由からこのようなワインを合わせます。さて、日本酒の場合には・・・」というわけで、各テーブルの上では、まさに「酒を汲み交わしながら」の「至福の実験」が繰り広げられました。
 
 

   

いよいよメインディッシュの「時」を迎えます。
ここで当倶楽部初、おそらくはこれが最初で最後になるでしょう、本日の「特別出品酒」が登場します。


登場したのは<ニュイ・サンジョルジュ プルミエクリュ ダモードゥ 2006>!!

ソムリエ渡邊氏による厳選のブルゴーニュワインです。

牛肉を赤ワインで煮込むというフレンチにおける王道メニューを前に、彼らが「これぞ料理とワインのマリアージュ」とするその典型的な組み合わせを、
ここで日本酒界の皆様にご体験いただくことには
きっと意味がある・・・とは思いながらも、
実は当例会主催側には幾ばくかの危惧もありました。   
何故なら、それを体験していただくのは日本の名だたる蔵元たちなのです・・・怒る方達が続出するかも・・・黙って立ち上がる蔵元が出たら・・etc.



日本の蔵元皆様のたおやかで広い度量とその冒険心に、こちらが感動をいただく結果となりました。 
危惧どころか「実にユニークな会だった」「特にワインが出たのがヨカッタ」などなどのお声までが。


     
さて、時は流れ、デザートタイムになりました。 
いくらなんでも、もう日本酒はないだろうとお感じの皆様、それが「あった」のです。
 
今回の出品酒リストの中に、ソムリエ渡邊氏はとんでもない日本酒を見つけました。

木下酒造の「玉川 自然仕込み」、その名も<Time Machine 1712>です。
日本酒度マイナス69度というこの数字に、ソムリエ氏曰く「もはやデザートワインではないですか」。
フランスワインにはソーテルヌのシャトー・ディケム、ドイツワインにはトロッケンベーレンアウスレーゼというデザートワインの名品があります。
貴腐ワインといわれる既にしなびかけたような完熟葡萄から生み出される最も贅沢なワインとされているものなのですが、これらの発想を取り入れた日本酒が登場した、ということなのです。

しなびかけた完熟葡萄の代わりに「しなびかけた酒米」を使用したわけではありません。
そのベースは「古酒」―――。なるほど、古酒の特性をこのように生かす発想があったのですね・・・。
ワイングラスで登場した<Time Machine 1712>は、とろりとしたその粘度までが感じられるような、美しい黄金色に輝いていました。
 

コルドンブルーのチーフシェフもこの日本酒を紹介しています。
「江戸時代の製法で造る熟成古酒。これは分かりやすい。ハチミツ酒の香り。クレーム・パティシエールをたっぷりのせたクレープに、焼きリンゴとバターをのせたいね」
どうでしょう・・・これって、本当に日本酒の紹介文?

木下酒造にはフィリップ・ハーパーさんという、今や全国区の名杜氏がおります。
彼がこの道に入られましてからの集大成、彼自身と日本との融合がこういう形での結実をみたのかと胸が熱くなりました。彼の人生に心からの拍手をお送りしたいです。そして、素晴らしい日本酒を世に送り出して下さったことへの感謝も。       

<まとめ>
今回の例会は、これほどまでに多種多様な日本酒があることを皆さんと共に再認識できた会となりました。
クラシック・ネオクラシック・モダン・ネオモダン・・・これらは現在日本酒界に現れつつある新しい日本酒の分類法です。
今例会では、これらすべての日本酒品種との出会いが成りました。
伝統の世界においては「進化は真価」。日本の伝統蔵元たちが今尚まだ見ぬ空を目指しつつあることを実感することのできた例会でした。今一度ズラリと並んだボトルに目をやると、これらの一本一本は、全てが蔵元達の「芸術作品」。

日本酒は日本の文化です。
皆様の日常の中に、より日本酒との楽しいお時間をお持ちいただき、日本酒を愛で、育てていただきたいと願っています。
ご参加いただきました皆様に心からの感謝を申し上げます。








=第55回例会 出品酒一覧= 

東光 純米大吟醸袋吊り  純米大吟醸 山形県 (株)小嶋總本店
山田錦純米大吟醸  浦霞  純米大吟醸 宮城県 (株)佐浦
純米大吟醸 久宝居 純米大吟醸 福島県 開当男山酒造
開当男山 夢の香 特別純米  
秘蔵10年古酒 歳寿  大吟醸 古酒  茨城県 石岡酒造(株) 
越の寒中梅 金ラベル 純米吟醸 新潟県 新潟銘醸(株) 
長者盛 越淡麗大吟醸 しぼりたて生原酒  大吟醸
越の寒中梅 El Chiaki 純米大吟醸 同 
長者盛 山廃純米 山廃純米 同 
北の庄 斗瓶囲い 大吟醸 大吟醸 福井県 舟木酒造(株)
玉川自然仕込み 山廃純米大吟醸 玉龍  純米大吟醸 京都府 木下酒造(株)
玉川 特別本醸造 人喰い岩 特別本醸造
玉川自然仕込 Time Machine 1712 純米
龍力 米のささやき 秋津 純米大吟醸 兵庫県 龍力(株)本田商店
龍力 米のささやき 上三草 純米大吟醸 
龍力 米のささやき 吉川米田 純米大吟醸
龍力 米のささやき 日本の櫻 純米大吟醸 
龍力 生もと造り 特別純米生もと 
大吟醸 忠臣蔵 大吟醸 兵庫県 奥藤商事(株)
千代むすび 純米大吟醸 強力30 純米大吟醸 鳥取県 千代むすび酒造(株)
千代むすび 微発泡純米吟醸 しゅわっと空  純米吟醸  同
白鴻 大吟醸 沙羅双樹 大吟醸  広島県 盛川酒造(株
白鴻 純米 活性にごり 純米  同
白鴻 四段仕込み 純米 赤ラベル 純米   同
瑞冠 純米大吟醸 山廃40斗びん採り 純米大吟醸山廃  広島県 山岡酒造(株)
瑞冠 純米吟醸 生もと仕込 純米吟醸 生もと  同
瑞冠 純米 発砲にごり 純米   同
酔鯨 純米大吟醸 山田錦  純米大吟醸 高知県 酔鯨酒造(株) 
酔鯨 純米吟醸 吟麗 純米吟醸 同 
金冠黒松 大吟醸 錦 大吟醸 山口県 村重酒造(株)
日下無双 純米大吟醸 純米大吟醸 
協会八號酵母 純米酒60% H24BY 純米 生もと 同 
獺祭 磨き2割3分 純米大吟醸 山口県 旭酒造(株) 
国菊 純米大吟醸  純米大吟醸 福岡県 (株)篠崎 
純米大吟醸 比良松40 純米大吟醸 同 


                                                                 文責: 事務局 Hashiba

<第58回レポート><第57回レポート> <第56回レポート> <第55回レポート> <第54回レポート> <過去の例会>



日本美米美酒美食倶楽部  第54回例
                           
                    ≪カクテルビュッフェと日本酒のマリアージュ≫
                               ――「日本酒で乾杯!」の実践的試み―
                            2014年3月28日(金) 18:30~  帝国ホテル大阪 パイシーズ

開宴前の30分、恒例の「唎き酒会」から例会は始まります。
受付を済ませた会員様達は今例会の出品酒表を手に、会場に設置された唎き酒コーナーに集います。
ズラリと並ぶ20酒の後ろには、それぞれの蔵元・酒造会社社長や杜氏氏達のお姿が・・・これが圧巻の光景でした。

蔵主や実際に目の前にあるその酒造りを担った杜氏自らの説明をいただきながら進んでいく(止められない)グラスの数々・・・スピトーン(吐器)の使用形跡がほとんど見られなかった、ということは、これらの唎き酒酒(しゅ)はすべからく皆様の体内に納まったということで、「既に出来上がった状態」で、いよいよ例会の開始です。

和食のユネスコ無形文化遺産登録を機に、現在農林水産省では、世界各国を巡っての「和食紹介イヴェント」を展開中です。勿論ここには日本酒の存在も欠かせません。
一方、ノーベル賞授賞パーティー時にも謳われましたように「日本酒で乾杯を」が、様々な場で提言されるようにもなりました。
「和食には日本酒」の域を越え、「様々な食とのマッチング」が、今日本酒に寄せられている大きな期待であると言えるでしょう。

今回の例会は、まさにこれをテーマに行われました。
外交テーブルでは世界標準である「フレンチパーティー用メニューと日本酒のマッチング」です。
帝国ホテル大阪・永井明料理長が誇るオードブルからメイン、チーズやデザートにいたるまでの約20種のメニューを、この例会用に全てコンパクトなカクテルビュッフェスタイルに仕上げていただきました。

本例会の出品酒はこのテーマの故だったのでしょう、全てが純米大吟醸or大吟醸でした。

当倶楽部会長((株)本田商店・本田武義)と、みのり農業協同組合代表理事組合長・上羅尭己氏のご挨拶スピーチの後、郡司保之氏による乾杯の音頭と同時にサッと開けられた会場のカーテンの向こうには、大阪の夜景が広がったのでした。
会場の歓声と共に後は一転、賑やかな宴会モードに。

下欄メニューをご覧ください(拡大できます))。


この中から一品だけ、「フォアグラと筍のポワレ・トリュフソース」をご紹介致します。
その場でソテーして下さってのワゴン対応サーブでいただける、贅沢感に満ちた一品でした。

7×3cm程のフランス産フォアグラ(ペリゴール産か)の全側面が丁寧に焼かれ(一側面づつに焼き色をつけていくといった感じで)、これが置かれたプレートの手前には、細長くひかれた濃エンジ色に輝くトリュフソースが。

カリッとまでには至らない絶妙なところで焼き止められたフォアグラの舌触りとトリュフソース(これぞSauce périgueuxでした)の香り・・・ここで待たれるものとは、もう完全にフルボディーの赤ワイン以外にはあり得ないでしょう! と思わず心は飛ぶのでしたが、それをとどめたものは、このプレートに添えられた一片の筍だったのでした。

フォアグラと共にポワレされた筍は、この日のテーマにお応え下さったシェフの心意気とみられました。この筍だけで充分に「一品」となるような、それは見事な「フォアグラ風味の筍」(?)だったのです。
フォアグラの舌触りと筍の歯触りとのコントラストには、確かな「新天地」が感じられました。フォアグラのポワレというフレンチの定番に、日本人がこだわる「季節感」と「歯触り」とを加味したこの一品は、日本のフレンチレストラン界では、今や決して珍しくはないメニューでもあるようですが、私には、プロの仕事というものの発想と技量とをドカンと再認識させられた一品として、忘れられないメニューとなりました。

これを迎えるこちら側もまた、日本文化のプロ集団です。
最高品質を誇る高級日本酒の数々。

「贅沢な時空間」とは、まさにこのことを言うのでしょう。吟醸酒と「フォアグラと筍のポワレ・トリュフソース」のマッチングは、『至福』の文字を想起させずにはおかないものでした。

 ※お料理の写真を一枚たりとも残すことができませんでしたこの日の事務局の大いなるミスを、どうかお許し下さい・・・

宴もたけなわ、この日の参加蔵元様達による、これまたそれぞれに大変印象深いスピーチがありました。

小嶋総本店 小嶋社長のスピーチ

ex.新潟銘醸社長、吉澤貞雄氏による酒米についてのお話しです。
新潟では吟醸酒製造のために他県から山田錦を移入していたのですが、米の郷である新潟なのに・・・の思いと高度の精米にも耐え得る酒米を、のコンセプトから、山田錦と土地米である五百万石を交配させた「越淡麗」という独自の品種が生み出されたとのこと―――――

「日本酒は日本の文化」であることの、まさに体現的ストーリーでした。
土地の人々の思いとそれを実現にまで導いた多くの研究に携わった方達や農家の方達、そして、それを実際の酒造りへと成した蔵元達の存在・・・
※次回例会では、貴社<El Chiaki>のご出品を、是非是非お待ち致しております!

・・・・という風に、第54回例会は、楽しく賑やかに、名残惜しく幕を閉じたのでした。

で、「日本酒で乾杯!」の実践的試み――という、本例会のテーマ結果はどうであったのか・・・
帰途につかれた参加者皆様方のお顔がその結果を物語っていました、ではイケマセンよね。

次回からは、例会の中で実際にテーマについての意見交換がもたれるようなシーンを作っていくべきなのではないかと、事務局反省会では挙がりました。
ビュッフェ形式というのも、コンパクトに多種の実験的プレートを体験できたという利点の一方では、お年を召した会員様の中には全プレートを自らお取りに足を運ばれるのもタイヘンな方達もいらしたようで、途中からはホテルの方達のご協力をいただいたものの、やはり今後考慮すべき点はあるだろうと思われました。

次回例会は今秋の予定です。
伝承されるべき我が国の豊かな美食空間と充実の時をめざし、企画制作実行へと実施部隊は邁進いたします。
どうぞ楽しみにお待ちください。 

=第54回例会 出品酒一覧=

<東光> 純米大吟醸袋吊り  山形県 (株)小嶋總本店
<浦霞> 山田錦純米大吟醸  宮城県 (株)佐浦
<久宝居> 純米大吟醸 福島県 開当男山酒造
<越の寒中梅> 大吟醸 新潟県 新潟銘醸(株) 
<秘蔵大吟醸 歳寿> 大吟醸  茨城県 石岡酒造(株)
<吟ふぶき米 冨成喜> 純米大吟醸原酒 福井県 舟木酒造(株)
<香の泉天醸> 南部流大吟醸 滋賀県 竹内酒造(株)
<玉川自然仕込み玉龍 山廃> 純米大吟醸 京都府 木下酒造(株)
<米のささやき『秋津』> 純米大吟醸 兵庫県 龍力(株)本田商店
<日本の櫻> 純米大吟醸 
<米のささやき『吉川米田』> 純米大吟醸
<米のささやき『上三草』> 純米大吟醸 
<こうのとり> 純米大吟醸
<忠臣蔵> 大吟醸 兵庫県 奥藤商事(株)
<千代むすび 強力30> 純米大吟醸 鳥取県 千代むすび酒造(株)
<白鴻 沙羅双樹> 純米大吟醸  広島県 盛川酒造(株
<瑞冠 山廃斗びん採り雫酒> 純米大吟醸  広島県 山岡酒造(株)
<金冠黒松 錦> 大吟醸 山口県 村重酒造(株)
<金冠黒松 錦>  純米大吟醸 
 <国菊> 純米大吟醸  福岡県 (株)篠崎

                  
<第58回レポート><第57回レポート> <第56回レポート> <第55回レポート> <第54回レポート> <過去の例会>

       


過去の例会

53回例会 『播州 山田錦の新酒を味わう会』  京都ブライトンホテル 

52回例会 『晩秋の宴』  京都 高台寺 土井
                   

51回例会 『初秋の宴』  赤坂 菊乃井

50回例会 『フランスと日本の架け橋 美食交流』  トゥールダルジャン
49回例会 『『晩秋の宴』  赤坂 浅田 
48回例会 『晩秋の宴』  京都 高台寺 土井 
47回例会 『フランスと日本の架け橋 美食交流』  トゥールダルジャン

46回例会 『鑑評会出品酒と春の新酒を楽しむ』  日本外国特派員協会
45回例会 『フランスと日本の架け橋 美食交流』  トゥールダルジャン
44回例会 『金風の宴』  赤坂 菊乃井
43回例会 『春の新酒と新しいタイプのお酒を楽しむ』  日本外国特派員協会
42回例会 『晩秋の宴』  京都 高台寺 土井 
第41回例会 『初秋の宴』  永田町 瓢亭

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